小売電気事業電力を自社電源で確保する方法
小売電気事業を営むための「小売電気事業登録申請」を行うためには、電力を供給するための電力を確保する方法を決めておく必要がありますが、その方法の1つに「自社電源」により確保する方法があります。
この、小売電気事業の電力を自社電源で確保する方法には、主に次のような方法があります。

水力
水力発電は、電力の大部分を基本料金(定額)とする一般水力(流れ込み式、貯水池方式、調整池式)発電と、全額を基本料金(定額)とする揚水式発電があります。
水力発電は、他の電源と比べると、非常に短い時間で発電開始(3~5分)が可能であり、電力需要の変化に素早く対応(出力調整)が可能(流れ込み式を除く)であるというメリットがあります。
また、水力発電はCO2排出量が非常に少ないなど他の電源に比べて地域振興に貢献できるため、国や地方自治体により、さまざまな交付金や補助金の制度が設けられています。
市町村や民間企業が取り組む水力発電は「小水力発電」とも呼ばれます。
都道府県から民間企業へ発電施設が譲渡される例もありますが、その場合は老朽化した施設への対策が必要となる可能性があります。

火力
日本の電気の大半は火力発電によって供給されています。
火力発電用の資源は、石炭、LNG(液化天然ガス)、石油、LPG(液化石油ガス)、その他ガス、歴青質混合物(天然または人造の炭化水素からなる混合物)などの種類があります。
火力発電を行う場合は必ず排気ガスが発生します。そのため、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじんなどの排出量の低減、熱効率向上によるCO2排出量の抑制が求められます。

原子力
原子力発電は、世界中で約50年前から行われている発電方式です。
そのメリットは、発電段階でCO2を全く排出せず大量の電力を安定供給できること、また、使い終わった燃料を再処理することで再利用できることから、エネルギー資源小国である日本における発電方法として、重要視されています。
反面、放射線の慎重な管理が必要であり、重大事故が発生した場合は環境に甚大な被害を与え、その影響は数千キロメートルを超える広範囲に及び修復が著しく困難となるため、今後の運用に関する是非が問われています。

新エネルギー等
風力、太陽光、地熱(火山活動などの地中深くから取り出した蒸気による発電)、バイオマス(動植物などから生まれた生物資源を使用した再生可能エネルギーによる発電)、廃棄物の種別に分かれています。
小売電気事業の電力を自社電源で確保する場合には、その発電事業者は発電事業を営むことについて経済産業大臣に届出を行う必要があります。
自社電源で確保する方法以外には、他の発電事業を行う事業者との相対契約によって確保する方法と、卸電力取引所から供給される卸電力によって確保する方法があります。