小売電気事業登録を受けるための審査基準
小売電気事業の登録を受けるためには、電力産業・市場室や、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会などによる審査を受ける必要がありますが、審査の基準は「電気事業法」で次のように定められています。
- 電気事業法またはこの法律に基づく命令の規定に違反した後、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない方ではないこと
- 小売電気事業の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない方ではないこと
- 登録申請を行うのが法人の場合には、その役員に上記2つのいずれかに該当する方がいないこと
役員には、業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる方を指し、これらと同等以上の支配力を持つ方(たとえば相談役、顧問など)を含みます。 - 小売供給の相手方の電気の需要に応じるための必要な供給能力を確保できる見込みがない方、その他の電気使用者の利益の保護のためには適切でない方ではないこと
具体的には、次のような場合に、小売電気事業の登録を受けることができません。
・見込まれる小売供給の相手方の「最大需要電力(電気の需要の最大値)」を適切に見込んでいない場合
・出力変動を考慮せずに太陽電池発電設備または風力発電設備を供給能力として見込んでいる場合
・卸電力取引市場の過去の約定量等に照らし、市場からの調達量を供給能力として過大に見込んでいる場合
・その他の理由で、最大需要電力に応じるための必要な供給能力を確保できる見込みがない場合
・小売電気事業を適正かつ確実に遂行できる見込みがない場合
・小売供給の業務方法または小売供給に係る料金その他の供給条件に関する小売供給の相手方からの苦情や問合せを適切かつ迅速に処理できる体制が整備される見込みがない場合
・暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない方である場合
・法人で、その役員に暴力団員等のあるものである場合
・暴力団員等がその事業活動を支配する者である場合
・その他の理由により、電気使用者の利益の保護のために適切でない方である場合
以上のような審査基準の元に審査を受け、登録に値すると認められる事で登録を受ける事ができます。

なお、小売電気事業の登録を受けようとする事業者は、他に次のようなことも行う必要があります。
- 登録申請前に、広域的運営推進機関への加入手続きを行う
- 電力の確保先と供給範囲を特定し、最大需要電力や供給能力の確保の見込みを明示する
- 事業を遂行する体制や苦情等処理体制、その責任者などを、組織図などで明示する
- 登録から1ヶ月以内に、登録免許税の納付を行う
- 登録後は、供給計画の作成や、定期的な報告や届出を行う