小売電気事業登録に必要な供給力確保義務

これまで電気の販売は一般電気事業者が独占的に行っていましたが、家庭・小規模事業所向けの電気の販売が自由化され、小売電気事業者の登録を受ければ一般家庭を含めた全消費者に電気の販売を行えるようになります。

小売電気事業の登録の手続きでは、電力取引監視等委員会に対して、意見聴取を行うこととされています。
小売電気事業者に対して供給力確保義務、契約締結前の説明義務、契約締結時の書面交付義務、苦情処理義務等が課されていて、登録申請の書類でこれらの体制について審査が行われます。

ここでは、供給力確保義務について説明をします。

小売電気事業者には、供給力確保義務があります。

供給力確保義務とは、電気を安定供給し、小売供給の相手方の需要に応ずるための必要な供給能力を確保するため、小売電気事業を行う上でその体制をつくることを義務づけられていることをいいます。

新制度として計画値同時同量が作られ、この制度では提出した計画値にのっとった発電をすればよく、実需給段階の需要の変動に追随する必要がありません。

その他の安定供給に関する規制として以下のものがあります。

周波数維持義務

発電量と需要量のバランスを維持する義務のことです。周波数変動が大きいと、発電機の能力低下や発電機の連鎖的な停止が起きてしまいます。そのため供給する電気の品質確保や大停電の防止のため規定されています。

送配電網の建設、保守の義務付け

送配電の建設、保守を一般電気事業者に義務付けています。

最終保障供給義務

どこからも供給が受けられなくなることのないように、セーフティネットとして最終的な電気の供給実施を一般電気事業者が行う義務のことです。これにより万が一小売電気事業者が倒産した場合でも電気の供給を受けることができます。

離島ユニバーサルサービスの義務付け

離島でも他の地域と変わりのない料金水準で電気を供給(全体の負担により費用を平準化)することを義務とします。